世界で三番目に幸せ

宝塚と若手俳優とコスメおたくの壁打ちブログ

魔法が解けない

※自己責任で読んでください

※ポエムです

 

大泣きした。

今まで見てきた舞台でここまで泣いたことはなかった。贔屓の退団でさえここまで泣いてない。ショックで泣いた訳じゃない。思いが溢れてどうにもならなくなって泣いた。

原作から入って純粋にひたすら好きだったのに、いろんなことに対して嫌になって、結果として殆ど苦しんでたんじゃないかってくらいしんどくて。まぁなんか、掘り返せば掘り返すほどアレな話になるから勝手に過去のブログの記事でも読んでくださいって感じなんですけど、思うところばかりで。

前回の舞台で最前に座って、なんだかもう満足した。というかこれで満足するしかないと思った。辞めるなら今だな、と思った。先のことはとにかく何も考えられなくなって、それでいいと思った。

けど、まぁ、こうなる前から今回のチケットは取っていた。10連休明けに有給取る勇気は無くて午前だけ出勤して新幹線に飛び乗った。ついでに翌日は休んだ。なんというか、これに行く事に関しては原作ファン以外の理由もある。一応伏せてるつもりだからそのあたりは明言しないけど(バレバレ)

けども、座席がめちゃくちゃ悪かった。

発券して大笑いして、このために私は10連休の後に更に休むのか…職場で白い目で見られながら新幹線で行くのか…ウン万出して遠征するのか…と思った。でもチケットを取った所が取った所だから、私は絶対ここで見なきゃダメだと思った。

本当は、チケット転売サイトとかで安く売られてたのも知ってたよ。別に知りたかった訳じゃない。目に入ったというか、目に入れられたというか、事故みたいなもんで。もっと前の席で定価割れの上でこの値段って…と思った。

でも見たよ。自分の取ったチケットで。

 

奇跡って起こるんだなと思った。

舞台おたくとしておかしくなったタイミングが3回あるって話を前回の記事でちょっと書いた。初めて某本命ゲームジャンルの舞台を見た時、初めて宝塚を見た時、そしてこの作品の大阪城ホールでのライブに行ってファンサを貰った時。明確に「人生を変えられた」そう思えた瞬間が3回だったのに、今回で4回になった。

 

楽しかった。

心の底からそう思えた公演ってどれだけぶりだろう。多分舞台刀剣乱舞ジョ伝以来。つまり一年と五ヶ月ぶり。

大体シリアス&鬱気味な作品ばかり見ていたし(元々好み的な話もある)そうじゃなかったら退団とかそういった舞台外が理由の事もあったし、舞台そのものの内容にショックを受けて大泣きした事もあった。義務感で通ってさらに傷付く事もあった。何をしにここまで遠征してるのか分からない。帰りの夜行バスで泣く時の虚しさったらなかった。

公演内容自体は、ぶっちゃけ殆ど前回と変わらない。変わったものは演出、一部の曲、そして私の向き合い方。

演出が変わって、客席降りが進化して。だってそんなの知らないじゃん。いきなりそんな、信じられないじゃん。

あの時の大阪城ホールに戻れた。当時の自分の「楽しかった」って思いを取り戻せた。頭の湧いたおたくだと思って聞き流して欲しいけど、それでも「本当に勘違いなんかじゃない」と思える時って確かに存在する。存在した。虚言って事で許してね。

こんなに好きだったんだ。こんなに楽しかったんだ。何だったんだろう。特にこの半年。勝手にショックを受けて勝手に落ち込んで勝手に苦しんでたのに、結局その姿を見てしまったら救われてしまう。何でだろう。この前だって会ったよね?3月会ったばかりじゃん?でもそういう意味じゃないんだ、それはそれでこれはこれ。もちろん「それ」目当てでもあるけど「これ」も目当て。どっちにも会いたかった。

1曲目に彼がいつもの曲を歌った。それだけでもう胸が苦しくて仕方なかったのに、アンコール曲1曲目で涙腺が壊れた。彼のこの曲は二度と聞けないかもしれないと思ってた。毎回のように「あわよくば」なんてちょっと期待したりして、前の夏もそれの為に行ったのに結局聞けなくて。でも私にとってこの作品といえばこの曲、ってくらい大好きな曲で。

期待するのはやめようと前回思った。最前を越える思いなんてできない。これが頂点なんだよ。だからもう受け入れるしかない。ネガティブな意味ではないけれど、そうすることが区切りだった。満足できたよね?うん。満足です。そういうジャンルだから。私が見たいものを見れると勝手に信じて勝手に絶望するのはやめようと思った。

丸々3年かな。うん、なんか、色々思いながら追いかけてきて、正直これで原作ファンとして見るのは辞めるしかないと思ってた。前回ではなく今回で、と思ったのは、やっぱり彼で終わらせるべきだと思ったから。これからはスッパリと割り切って、特定のものしか見ないようにしていこうと思った。

なのに、なのにね、ここにきて、ここにきてようやく、見たいものを見せてもらったんです。

 

泣きすぎて脇腹つった。前が完全に見れなくなった。いつもなら泣くたびにコンタクトを気にする冷静な私がいる筈なのに、今回コンタクトの存在を忘れて大泣きした。元々そこまで目が悪くないせいで終演後コンタクト入ってるのか取れたのか分からなくて床を探した(目に入ってた)

夢じゃないんだよ。夢じゃなかった。

 

「彼」の演じる「彼」を、もう二度と見れなくても良い。いや、見れないことになっても仕方ない。

前回の彼のいないライブで、あぁそうなのかと思った。そこで覚悟はした。今回の話を聞いた時もこれが最後かもしれないと思った。

本当の事を言うと、私はお芝居が好きなのでストーリーのある本公演にきちんと出て欲しい。そういう気持ちはあった。最近といえばライブばかりで、そういった感じでズルズル引きずられて。制作側の実績を作りたい気持ちが見えるのが嫌だったし、でも切って欲しいかと言われたらこの前のライブでそんな事ないんだって自分で気付いてしまって絶望して。けれど原作ファンじゃない私として見るといつまで拘束されてるのなんて矛盾したことを考えたりもして。

結局、原作ファンと、そうじゃないファンの私が相容れないままここまできてしまった。

 

けど、なんか、もう、いいんだなと思った。

原作ファンの私もいるし、そうじゃないファンの私もいるし、このミュージカルというコンテンツから手を引くことができない私もいる。こんなにも好きで、こんなにも楽しい思いができてしまった。まだこんなに楽しいと思えてしまった。

私はこのライブを、どの方面から見ても心から楽しむことができるファンだった。楽しむことができるファンのままだった。

 

知らなかった。

ファン失格って何回思ったか分からない、盲目が良いなんて思わないけど、肯定できないで何がファンなんだと思った。どうしてずっと応援したいのに、好きなのに苦しいんだと思ってた。周りとの温度差が酷すぎた。皆喜んでるのに私だけ悔しくて泣いてたのは今でも覚えてる。何だったの。本当に何だったの。

どうして今なんだろう。いや今だからか。気付くことができたのは。一回もうヤケになって、これ以上なんてないと自分の手で幕を下ろそうとして、ようやく、ようやくだよ。

 

嫌いになった事はないよ。これは本当。嫌いになれたらいいと思った事は何度もある。でもずっと好きだった。ずっとずっと好きで、何をされても嫌いになれなかった。その代わりめちゃくちゃ傷付いた。前回のライブがトドメだったから、あの時はご飯も食べれなくて本当に日常生活に支障が出た。そこまで落ち込むかってくらい落ち込んで、そこからの前回、それからの今。

 

ずっと魔法が解けない。解けなかった。

良かった。本当に良かった。ここまで応援していて良かった。苦しくてもしんどくても、好きでいて良かった。頑張って良かった。

終わりのないトンネルなんてなかったんだなと思った。好きでいたら奇跡は起こるよ。

 

行って良かった。好きでいて良かった。

好きでいさせてくれてありがとう。