世界で三番目に幸せ

宝塚と若手俳優とコスメおたくの壁打ちブログ

最後まで応援することができた幸運なファンの話(贔屓七海ひろきさんの退団を見送って)

今日の事は死ぬまで忘れないと思う。

終わりました。

全部終わりました。今日の3月24日をもって、応援してきたご贔屓の七海ひろきさんが宝塚を退団されました。

幸運にも、私は好きになった人を嫌いになったり、興味を無くすこともなく最後まで応援することができたファンでした。


目に焼き付けてきました。

七海さんを知ってから、七海さんが私に見せてくれた夢が終わる。美しくて幸せで、とてもキラキラしていたその時が終わる。

この退団公演のお芝居、「霧深きエルベのほとり」再演にあたり七海さんの為に当て書きされた船(海)から降りて陸で生きる事を選んだ男、トビアス。七海さんの最後の役としてこれ以上に相応しいものはないと思える役で、本当に胸がいっぱいだった。

ショーの「ESTRELLAS(エストレージャス) ~星たち~」こちらも七海さんへの餞別の一場面、今回退団する組子を皆で送り出そうといったとても温かい空気の中で、これ程までに「時よ止まれ」と思った瞬間は無かった。

最後の入りから始まり、最後の公演。最後のお芝居、最後のショー、最後の黒燕尾、最後のパレード、そして退団挨拶。

もう入りの時点で私は泣いてて、このままだとどうなるんだと思っていたのですが、止まることのないまま時間は過ぎました。本当にあっという間でした。

ちなみにこの時間に記事を書いてるところからお分かりかと思いますがフェアフェルには参加していません。一応自分なりに考えて、最後に見る七海さんの姿は劇場での姿がいいと思ったので初めから参加の予定はありませんでした。まぁ申し込んだところでお席をご用意されたかと言われたらアレな話ですけど。

 

語彙力がない、という言い方は逃げのような気がしてあまり好きではないのですが、本当に今のこの気持ちをどう言葉にしたらいいのか分からないです。「最高だった」「幸せだった」「大好きだった」「ありがとう」そんな言葉しか出てこない。

本当に私は幸運なファン活動ができたファンでした。こんなにも幸せな気持ちで応援していた人を見送れて、悔いなんてもの残るわけがない。


七海さんを好きになったきっかけは、銀河英雄伝説のミッターマイヤーです。

見たのはDVDです。元々私は銀河英雄伝説が好きで、その流れから入りました。宝塚にハマったきっかけ云々はこのブログの過去記事に色々書いてた(はず)なので詳細は略しますが、私が七海さんを七海ひろきと認識して好きになったきっかけは間違いなくミッターマイヤーだった。

最高にハマり役だったと今でも思ってます。

元々銀河英雄伝説が好きなのでもう誰を見てもキャーーーーー!!!って感じなのは前提として、本当に楽しくて、何でこの公演時私は宝塚にハマってなかったんだと己を恨んだ。当時何してたかって?地元でゲームやりながら学生してたわ。本当勿体ないことをした。

…で、これが何を意味するかと言うと、今だから言える話ですけどつまりはキャラクターから入ったんですよね私。ミッターマイヤーというキャラクターが好き、であることが前提としてミッターマイヤーを演じた七海さんが気になるようになった。元々が2.5次元舞台の若手俳優おたくなのでこういったハマりかたをしてしまった訳ですよ。

七海さん…もとい銀河英雄伝説の別アングルがもっと見たくて、スカステことタカラヅカスカイステージ(分からない方向けに注釈するとCSの有料宝塚専用チャンネル)に加入したのも今だから言える話です。


まぁこのスカステがとんでもなかった。

地方民だから東京も兵庫も行けないし…遠征しなきゃダメだし…なんて言ってるおたくにも次々与えられる供給、供給!供給!!!毎日タカラヅカニュースという名のニュースが流れ、前日の公演の様子とか稽古場映像とか流れる訳ですよ。若手俳優おたくはもう衝撃的オブ衝撃ですよ。元々の目当てだった銀河英雄伝説を録画した後もとりあえず録画、とりあえず視聴を繰り返しまくり、段々と「私…もしかして七海さん個人がめちゃくちゃ好きなのでは…?」という自分に気づいてしまった。

銀河英雄伝説を抜きにしても、この七海ひろきというタカラジェンヌが気になって仕方ない。

 

正直、七海さんはそんなに、ダンスや歌が得意な方ではないと思う。私はどちらかと言えば歌もダンスも演技も上手い方が好きなタイプなのですが(顔が好みの上でプロ意識がある人が好きなのは最前提)そういった好み主義的なものを壊しても、七海さんの舞台に対する思いとか役への向き合い方、ファンや組子、宝塚への愛情。それらを感じるうちになんだかとっても七海さんから目が離せなくなってしまった。

人を好きになるのに理屈なんていらないんだなと思った。

そんなこんなでとりあえず七海さんが出ている番組を録画して見ている内に、立派なヅカオタが出来上がってしまったのです。


私のヅカオタとしての歩みは全て七海さんと共にありました。初めての宝塚現地観劇、初めての会活動、初めてのお茶会…そして今回、初めて現地での千秋楽。…何を隠そう私はこれまで宝塚の千秋楽に入ったことがなかったのです!元々若手俳優おたくとしては千秋楽自体にそんなに拘りがない…というのは散々このブログで書いた話ですが、宝塚に関しても千秋楽映像とか翌日スカステで観れるし、何ならライビュもあるし、激戦のチケット取ろうとしなくても…みたいな気持ちがあったんですよね。これまでは。

でも、贔屓の退団となると話は別でした。

とってもとっても有難いことにチケットは自名義で自力確保ができたので、その辺りは本当に救われました。結果として行けて良かった。その一言に尽きます。こんなに晴れ晴れとした気持ちで「応援しきった」と思えたのは色んな奇跡の積み重ねの上だと思ってます。

…ここからめちゃくちゃ自慢ですけど、というか自慢しなくてどうするんだって話ですがこの千秋楽、本当に良い席に座らせていただきました。おかげで客席降りで七海さんとハイタッチができました。凄くないですかこれ?!千秋楽のチケットを取れただけでも幸運なのにこんなに幸せな事ってないです。文句なんてあるはずがない。本当の本当に私は幸運なファンでした。…運使い果たしたから明日死ぬんじゃないかな?

 

そして一応、会場にいた人間としてこれに触れない訳にもいかないので触れますが、この千秋楽トップスターの紅ゆずるさんがショーの途中で喉をやられて歌えなくなるというまさかのトラブルもありました。

流石にめちゃくちゃ驚きましたし、急に体調を崩されたのかと見ていて不安で仕方がなかった。けれど「喉の調子が悪くて~」といった事をショーの合間に伝えていただいてからは、会場の空気も「大丈夫だよ」といったとても温かいものになり、宝塚って本当にファンの優しさに包まれた場所なんだなと思いました。

想定外のトラブルはありましたが、とても良い千秋楽でした。無事に終わって良かったです。


本当に楽しかったな。

泣いたら前って見えなくなるんですよね。

当たり前なんですけどめちゃくちゃ思いました。とんでもなく泣きたいのに見えなくなるのは困る。あとは泣くと分かっている公演にコンタクトはやめよう。

必死に我慢したんですよ。我慢したけれど、星サギのシーンで胸に退団者の証の花が添えられているのを見て涙腺が決壊した。ついでにコンタクトのせいで両目に激痛が走った。

ボロボロ涙がこぼれ落ちて、でも贔屓から目を離したくなくて、最後までずっと贔屓を見ていました。


長い長い、夢を見ていた気がします。

全て終わって、ふらふらと歩きながら、しばらくぼんやりとしていました。

幸せでした。不幸な瞬間なんて一瞬たりともなかった。私は七海さんを知ってから七海さんがずっと好きで、七海さん個人に対して不満に思ったり嫌になる事がないまま、ファン活動を終えることができました。思い返せば思い返すほど、楽しい事しか思い出せない。

 

…実のところ、辛かった時期もあったのです。

三番手という立ち位置。トップにはなれないんだろうなぁという気持ち。私はジェンヌさんの悪口なんて聞きたくもないし調べたくもないけれど、このネット社会、どうしても贔屓の事を悪く言われている現場に出くわす事だってある。蒸し返すような事は言いたくないけれど、ちょっと色々言われた時期だってあった。

めちゃくちゃ腹が立ったし泣きましたよ。沢山。贔屓が本当に素敵な人である事を知っているから、だからこそ色んな所で辛い気持ちになる事もあった。

でも、そんな時も含めて、今となればいい思い出だったな、なんて思えてる。

 

「何もかも美しい思い出になっていく。嫌なことなんて何も残らない」

 

以前読んだ漫画の台詞です。細かい言い回しは違うのですがとても印象に残っていて、今の自分の気持ちにぴったりだなと思ったので書きました。本当にこの通りなのです。最後になると、不思議と全てが美しく尊いものだったと感じることができる。


きっとこれからも、私の中で男役、七海ひろきは、幸せな思い出として残り続けるんだろうなと思います。


満足できたし、成仏できました。沢山の幸せを貰えて私は本当に幸運なファンです。今日の私は世界で三番目じゃなくて、世界で一番幸せだと言い切れます。

 

かいちゃん、本当に、タカラジェンヌになってくれてありがとう!これからもずっと大好きです!!!

以上です!!!!!!!