世界で三番目に幸せ

宝塚と若手俳優とコスメおたくの壁打ちブログ

宝塚月組大劇場千秋楽と美弥るりかさん

ライブビューイングが私は好きじゃない。

とにかく現地に拘りまくっているタイプの舞台おたくであることはもう散々ブログで語ってきました。今更このあたりについて語るとまた本題に行き着くまでもなく終わってしまうので略すのですが、とにかく私は現地で見たい。ライビュで満足できない。だから宝塚月組大劇場千秋楽、チケットを取れなかった時点でスッパリ諦めようと思ってたんですよ。「ライビュの為に有給使うなんて」という気持ちもあったし、そもそも1〜3月と贔屓の退団で有給を使いすぎたというのもある。

でもね、15日の朝、目が覚めて、近場の映画館の残席情報をちょっと見て、席が残ってたんですよ。

まぁ行くよね。

美弥さん贔屓の友人に映画館で「本当に来たの?!!」と驚かれ笑うしかない。けれども、正直私は自分がこういった人間であることは分かっていました。こういう人間なんですよ(学生時代本命ジャンルのゲーム発売日に学校を早退していた女です)

 

と、いうことで月組千秋楽をライブビューイングで見てきました。前置きがめちゃくちゃ長いですね。あんまりレビューっぽい事は書けないので簡単に思った事…というか、ほぼ美弥さんの話を感情の整理の為に書こうと思います。

 

私にとっての美弥るりかさんは、何よりも先に「友人の贔屓の方」という存在でした。

美弥るりかさんの退団について思う事 - 世界で三番目に幸せ

リアルの友人が美弥さんの大ファンで、彼女が楽しそうに美弥さんについて語るのを聞くのが好きだった。だから美弥さん関係の公演とか映像とか雑誌とかそういったものを見る度に浮かぶのは友人の事。「あっこの美弥さんめちゃくちゃ格好いい!(友人)好きそう!」みたいなそんな感じ。

もちろん私個人としても「美弥さん格好いい〜〜!」とはなるけど、一歩引いて見ているというか、やっぱり自分よりも強火でめちゃくちゃ好き!!!ってなってる「友人」が近くにいると「その子よりも私の方が」とはならない。なれない。小学生の時とか友達と「クラスの気になる男子誰?!」みたいな話になった時に友人が名前を挙げた子は除外して自分も選ぶ、みたいな。当時のモーニング娘。で相手がなっち好きならこっちはゴマキ、みたいな、いや当時私は吉澤ひとみさんと加護亜依ちゃんが好きでしたけど。既に話が逸れまくってる。

何が言いたいかって、私はリアルの友人と推し被り的なことができない人間なんですよね。

対する私の方も自分の好きな人の素晴らしさを周囲に知って欲しいけど、別に同担になってほしい訳じゃない。なんというかそのあたりはほっといてほしい。自分はめちゃくちゃ好きだけどそれを一方的に語るので充分というか、相手が「じゃあ私も!」って同じ熱意でこられるとちょっと困る。それこそネットとかで初めから同担って分かってたら全然いいんだけど、まっさらな所から「リアルの友人が」「自分と同じ人を自分並み(以上)の情熱で好きになる(なられる)」の2つの条件が揃うとちょっときつい。私はね。ここ重要です。個人の意見です。

だから私は、自分がそうであるからこそ友人の推し(贔屓)に熱意の全てを傾けることはできない。してはいけない。それをしてしまうと友情にヒビを入れてしまうタイプのおたくであることを理解しているから。なので見に行く動機と私個人の気持ちとしては、「友人の贔屓である美弥さんの退団を友人と同じ場所で見送りたい」というものが一番大きかったように思う。

 

まぁ、こんな事を考えて見ていたんですよ。

武蔵を見て、クルンテープを見て。退団者の皆さん綺麗だなぁ、美園さくらちゃんお披露目おめでとう、なんて思って。フィナーレが終わって。緞帳の前に組長の光月るうさんが出てきて、美弥さんに対する言葉をお話しされて。

「もっと美弥るりかを見ていたかった」

この言葉を言われた瞬間に、最初何故か笑い声かな?と思ったんです。あまりにも大きな声がライビュ会場に流れたものだから。でもそれが会場の客席の泣き声だと分かった瞬間。急に耐えきれなくなった。

ビックリするくらいに泣いた。

美弥さんの退団発表はめちゃくちゃ辛かった。でも、自分がここまで泣く程美弥さんが好きだったなんて思っていなかった。「友人の贔屓の美弥るりか」ではなく、純粋に「美弥るりか」というスターが自分が思っていた以上に好きで、退団がこんなにも悲しくて辛い。本当に惜しい。もっと見たかった。見れると思っていたのに。そんな気持ちが溢れ出した。

一気に泣きすぎて涙が垂れ流しのままサヨナラショー。まさかのバッディ。いきなりのスイートハート様。ここで涙が物凄い勢いで引っ込む。流れるように1789の「私は神だ」友人が美弥さんに落ちたきっかけの公演。きっかけの曲。友人生きてるかな。なんて思いながら観ていた。もちろん私も興奮していたけれど間違いなく正気じゃないであろう友人を思うと、ちょっと冷静になれて笑顔になった。

そしてテキーラ、この地上の何処かに…と曲は続き、最後のEverything for Love、今公演のショーを怪我で休演していた海乃美月ちゃんの姿を見た瞬間「幻覚かな?」と思った。公演が終わった瞬間真っ先に「海乃美月」でTwitter検索したのは言うまでもないです。幻覚じゃなかった。

退団挨拶。「1993年、私はこの大劇場にいました」そう話を始められた美弥さん。ライビュのアングル的にも美弥さんの背後に写る月城かなとさんの表情がよく見える。それを見てもうボロボロ。泣きますよこんなの。

最後まで美弥さんは美しい姿を見せたまま、大劇場を後にされた。

 

終演後、友人が「こんなの見せられたら成仏するしかない」と言っていた。私は何も言えなかった。彼女には言えないけれど「惜しい」という気持ちが勝ってしまった。サヨナラショーで中心に立つ美弥さんを見て、これが観れる世界があったかもしれないのに。なんて事を思った。そんな事を美弥さんのファンは一番思ってるだろうし、それを何とか飲み込もうとしているんだと思うけれど。

美弥さん自身はとても晴れ晴れとした表情をしておられた。本人としては満足なんだと思う。多分。でも美弥るりかにしか出来ない役、演目があって、それを大劇場のセンターで演じて欲しかった。なんて一観客として思った。

 

友人と別れて家に戻って、またもやビックリするくらい泣いた。何が悲しいのか分からないくらい悲しくて辛かった。最後まで美しく大劇場を後にされる美弥さんと、それを必死に受け入れようとしているファンの方の姿を見て色んなものが耐えられなくなった。

 

トップにさせるつもりがないなら、二番手の羽根を背負わせるべきじゃなかったよなぁと思う。宝塚における二番手の羽根は軽いものではないと思っていた。だからこそ、ここで退団という道を選ばれたことがとても悲しいし、辛い。

トップになって欲しかったな、なんて思うこと自体が今となれば美弥さんに対して申し訳ないし、辛いとか悲しいなんて感情を持ちたくない。可哀想なんてもっての他なのは分かってる。

でも、だからこそただひたすら、この公演を見て、サヨナラショーを見て、やり場のない気持ちだけが残ってしまった。

 

今回の公演。お芝居といいショーといい、美弥さんの退団公演にしては「餞別」と言えるものが少なかったんじゃないかなと思う。ショーの黒燕尾はとても良かったけど、お芝居はもっと見せ場があっても良かったと思う。ついでに美弥さん個人に拍手を沢山送れる所が少なかったように思える。

一応、事前の評判は何となく聞いていたので思っていた程酷くはなかった。けれど退団云々を抜きにしてもお芝居の主人公の宮本武蔵に感情移入することがとても厳しく、結局武蔵は成長したのかと思いきや最後まで人を殺して人間的な成長を感じ取ることが難しい。ヒロインのお通とも一緒にならないし必死に追いかけてきたお通がただただ可哀想。佐々木小次郎だって出てきては一瞬でいなくなってしまい、個人の掘り下げが少なく背景が全然見えてこない為武蔵の宿命のライバル感がとても薄く感じられた。

この公演で退団するのか、と思うと、やっぱりちょっと思うところは出てしまう。せめて武蔵と小次郎の決闘にもっと尺を使えばいいのに。もっと華々しく終わらせてくれれば良いのに。流石にこれはあんまりじゃないかな、と思う。

脇を固める月組の組子の演技はとても良かっただけに、脚本が本当に残念でならない。東京公演で少しでも改善してほしいけど、変えるにしても限度があるし、なんというか、本当になんというか…という感じです。

ショーはお芝居に比べると良いけど、傑作という訳でもないので…ただ暁千星さんの女装シーンやムエタイの場面など個人的な見所はありました。(ハロプロ好きとしてはアイドルシーンの曲が変更になったのはめちゃくちゃ悲しい)

宝塚における異例の二番手切りをした以上、もっと美弥さんのファンが納得できるような構成にすれば良かったのでは…美弥さんのファンの方の気持ちを思うとやっぱり何も言えなくなります。

この気持ちをどこにぶつければいいんだろうなぁ。美弥さんのファンの友人にこんなこととても言えないからこうしてブログに書いています。15日も16日もしんどくなって泣いて、なんで自分がここまで泣いてるのかもよく分からない。

ただ一つ言えるのは、やっぱり二番手切りなんてもうしないでほしい。それだけです。

 

少しでもこの感情が美弥さんが宝塚を退団される6月9日までに昇華されたらいいな、と思います。

 

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4/18 追記↓

昨日の記事で貰ったマシュマロの話 - 世界で三番目に幸せ