宝塚雪組ファントム観劇
結論を先に言えば、これまで見てきた舞台で一番泣いた。
そんなつもりはなかった。話は知ってたはずだった。何ならオペラ座の怪人も知ってた。見たのは04年映画版だけど。ついでに続編もストーリーくらい知ってる。
けれど、劇場で生で見たのは、実は初めてだった。
何でこんなに大泣きしたのか分からないくらい泣いたし、何なら周りに引かれなかったか、嗚咽がちょっと漏れて流石にヤバいなこれってなって必死に耐えました。
このブログでファントムのチケットを取ろうかどうかで結局刀ステ無かったから取った〜みたいな話に少し触れた気がするのですが、本当に劇場に行って良かった!この自分の判断!本当に良くやった!
私が舞台で観たかったものを見ることができた!!!
という訳で雪組宝塚大劇場公演ファントム、役替わりBパターンで観劇してまいりました。
ストーリーについての話をする以上ある程度のネタバレは含まれます。あとはオペラ座の怪人(04年映画版)の事にも少し触れています。
そもそもオペラ座の怪人とファントムを比べるなと言われたらそれまでなのですが一応同じ作品が元になってるので、あまり深く突っ込まずに読んでいただければと思います…
とりあえず私の思ったことをつらつら書いているだけなので短いです笑
ちゃんとした感想記事ではないのでごめんなさい。
初めに、私はオペラ座の怪人(見たのは04年映画版でしたので原作と話は違うのは承知です)が物凄く好きです。このオペラ座の怪人、といったジャンルにおいて、怪人とクリスティーヌにくっついて欲しかったってずーーーっと思っていたし、何なら今でも思っています。もちろんくっつかないからこそ、この作品が今でも愛されているのだろうなとも理解しています。
けれど、あくまで私の感想として、この宝塚版のファントムという作品の底にあるのは怪人であるエリックとクリスティーヌの恋愛以上に、家族の愛がある作品だったのではないかと思います。
ここでまた変な話をしますが、実は私は家族愛をテーマにした作品にあまり触れたくないんです。何故なら絶対に泣くからです。
単にそれ、ずるくない?みたいな気持ちになる。絶対泣かせる気あるでしょ?みたいな、ひねくれた感情が出てきます 笑
まぁ、結果としてこの宝塚版ファントム、大泣きしました。ファントムであるエリックとクリスティーヌの関係性…ではなく、エリック個人の抱える孤独。そして父親であるキャリエールとの関係性。それを思って大泣きした。
結局何よりも愛してくれたのは父と母。そしてその生に終わりを与えてくれたのも、愛してくれた父。
オペラ座の怪人という作品において、クリスティーヌという存在はエリックが誰よりも愛した女性です。けれどもこのファントムにおいて、もちろん彼が愛した女性はクリスティーヌでありながら、恋愛だけに全ては終わらない。彼の人生における幸福はクリスティーヌとの出会いと両親の存在にあったように私は感じました。
元々私はこの怪人、ファントムことエリックというキャラクターが本当に大好きだったので、結局どんな形であろうと彼の事は初めから「好き」という感情で見ていました。
逆にオペラ座の怪人自体に思い入れがあまりなく、ファントム自体が初見だった身内は「エリックに感情移入がさほど出来なかった」と言っていたので、この辺りはやっぱり個人の好みや、これまでに関連作品に触れていたかどうか、というものもあると思う。
なので本当に、この作品は私の好みにこれ以上になくドンピシャだった。といった表現が一番しっくりくるかなと思います。
今回の雪組公演における最大の注目ポイントは、トップスターである望海風斗さんとトップ娘役である真彩希帆さんの圧倒的な歌唱力。
本当にこのファントムという作品は歌が全て、と言っていいほどの作品です。このお二人がトップになられた時から「絶対ファントムやってほしい!!!」と思っていましたし、私以外にもそう思われてるヅカオタさんは沢山いらっしゃったと思います。このお二人のいる今の雪組だからこそできた公演。この奇跡に巡り会えたことに本当に感謝しているし、まさに劇場に音楽の天使が舞い降りた、と確信するクオリティ。
絶対にCD買おう…と思ったし、本当に素晴らしいものを見せてもらったという感謝の気持ちでいっぱいです。
もう一つ、役替わりについて。
DVDに収録されるのは役替わりAなのでこれが逆になる役替わりBは意地でも現地で見たかった。
これも本当に見に行って良かった。「あーさのシャンドン伯爵、めちゃくちゃ良い…」私はもちろんエリックが一番好きですけど、ちょっとあのシャンドン伯爵好きになってしまうのは仕方ないかもしれない…と思うくらいには心が揺れました笑
基本的に私のオペラグラスはエリックを捉えていましたが、このお二人が出るシーンについてはやっぱりこのお二人を中心に見ていました。
こんな感じです!まとまりがない!ごめんなさい!
本当に見に行けて良かった…。これを現地で見てなければ私、絶対に舞台おたくとして損してたよ?!!と思った。暗い作品だから万人向けではないけれど、とにかく私のあらゆる好みにヒットしていました。本当に文句なしで最高だった。
そして実はこの公演、本年度の観劇納めでした。
来年は年明け早々に星組エルベです。贔屓の退団公演なのでこれから3月までは宝塚に通いまくることになりますね…とりあえず今はチケット手配に忙しい感じです。
私が本年度行った舞台は9月に見たマリーゴールドが一番だったかな、と思っていましたが、僅差ですけどこちらのファントムが一番だったかな…と思えるくらいに最高でした。どちらも良かった…本当に行って良かった…。
やっぱり現地で見ることに意味があるな、と本当に思ったし、私が初めて宝塚を現地で見た時に勝るとも劣らない衝撃がありました。
先日こんな記事をあげたばかりだったのですが、直後にこれです。
これが見たかったんだ私は…。
本年度、正直言って舞台おたくとして辛いことがとっても多かったのですが、この一作品に出会えただけでも本当に今年も通ってて良かったな、って心から思いました。結局今年何本舞台見たんだろう?…考えたくないからやめよう笑
劇場には魔物が住んでいる、とか、劇場には神さまがいる、とか。たまにそういった話を聞く時、まぁ、何となく言いたいことは分かるよ、くらいに思っていました。
でも、なんだろう。なんだかそれが、きちんと実感を持って分かったんじゃないかな、というくらいに、この公演は私にとって凄い特別な公演になりました。
きっと私はこれからあらゆる劇場に行く時に、心のどこかでエリックの面影を求めてしまう、そんな気がします。
いい経験したな。最高に良い観劇体験ができた。これが見たかった。本当に行って良かった。